コラム②親子で一緒にやることの大切さ

 コグトレは、集団でも、個別でも、ちょっとした時間に、誰もが対象で、手軽で、気軽に実施することができる認知機能トレーニングです。

 

 コグトレを実践されている先生方は、学校の朝の時間などを活用されている方も多いと思います。コグトレは継続して続けていくことが大切ですので、学校だけでなく、家庭でもコグトレを実施できるようになったら素晴らしいことだと思います。日々の生活の中で、保護者の方がお子さんと一緒になにかをする時間をとるのは容易ではありません。しかし、コグトレは1日5分から始められるトレーニングです。家庭で一緒にやってみることを提案してみることで、保護者の方もお子さんの変化を感じることができるのではないでしょうか。

 

 昨年、ケーススタディーとしてコグトレの親子セッション(週1回、1時間〜1時間半)を実施し、認知作業トレーニング(COGOT)と認知強化トレーニング(COGET)に一緒に取り組んでもらいました。セッション開始時に毎回あった口論がしばらくするとなくなり、3か月後には生徒が自主的にコグトレに取り組むようになり、感情をうまくコントロールできるようなったりと、いくつか変化がみられるようになりました。セッションでは、生徒に保護者のコグトレシートの回答をチェックしてもらったり、コグトレ棒のパスの仕方、背中合わせから立ち上がるときのコツなどを二人で相談し合ってもらっていました。この親子の関係が好転したことは、コグトレ親子セッションのコミュニケーションが影響していると感じています。保護者も、一緒に取り組んだシートに明らかな変化が見られたことや、生徒の言動の変化を実感できたことでコグトレの効果を感じられたと伝えてくれました。

 ”子どもを動かすのは一緒にやる親の姿”と、宮口幸治先生も「境界知能」という新書の中で示唆されています。コグトレはいろいろな教材も開発・販売されています。「大人の漢字コグトレ」は、チャレンジできる内容になっていますので、お子さんと一緒に保護者の方にも、コグトレに挑戦してみることを提案してみてはどうでしょう?

 

 埼玉コグトレ研究会をとおして、コグトレ指導者だけでなく保護者の方々とも情報交換や情報発信をしながら取り組んでいくことで、研究会としても発展していけたらいいなぁと思っています。

(文:文化学園大学 語学研究室 梶原朱里)